全国私立大学で第27位、神奈川県内で第1位という科研費採択数を誇る神奈川大学。その高い研究力を支えるものは何か、そして研究力の高さが学生の成長にどう貢献するのか。活躍する2人の教員の研究事例から、高い研究力の秘密を探っていきます。

■研究種目:基盤研究(A)
■研究分野:工学/プロセス・化学工学/触媒・資源化学プロセス

全無機細孔構造結晶の
金属酸化物合成展開による新触媒機能創出

上田 渉 教授

工学部 物質生命化学科
上田 渉 教授

触媒物質化学研究室では、触媒を使って効率よくエネルギーや化学工業の原料をつくることが研究テーマです。エンジンでガソリンを燃やしたときの燃焼効率は約40%といわれますが、触媒(生物の場合は酵素)を利用すれば高い効率で“うまく使う”ことができます。私が研究しているのは、この“うまく使う”方法です。2015年度からは国のCRESTプロジェクトで「多様な天然炭素資源を活用する革新的触媒の創製」を戦略目標に掲げ、全国に大学の研究チームを結集し、研究を総括しています。具体的には、触媒を使ってメタンなどのアルカンガス資源をエネルギーなどへ容易に変換できる技術の開発を目指しています。

触媒を拡大した際の様子

前回の科研費を使った研究では、ユニット合成による全無機細孔性連結結晶の方法論を確立。
■研究種目:基盤研究(B)
■研究分野:基礎物理化学関連

可視5フェムト秒パルス光を用いる
“分子間熱反応遷移過程”の直接観測と機構解明

岩倉 いずみ 教授

工学部 化学教室
岩倉 いずみ 教授

研究テーマは、「化学反応に伴い、原子と原子の結合が解離したり生成したりする瞬間を“目でみる”」こと。例えば、人の目では捉え切れない「ミルクが落ちる瞬間にできるミルククラウン」は、高速フラッシュで撮影すると目でみることができます。同様に、分子内で原子が振動する周期よりも閃光時間が短い5フェムト(10-15)秒レーザー光をストロボとして使うと、原子間の結合がいつどのように切れ、結合するのかをみることができます。この可視化手法を分子間熱反応へと応用するために、光を用いて光反応ではなく“熱”反応を誘起する過程で、有機分子の昇華結晶化現象を発見。研究成果は2020年3月、英国の『Communications Chemistry』に掲載されました。

左/ガラスセル内の溶液にレーザー光を集光すると、液面より30mm上空のガラスセル天井に単結晶が堆積。右/糖(チオグルコシド)の単結晶。

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